特定技能在留資格の特定産業分野<6>の建設分野について、この在留資格を取得するために必要となる資格や能力、建設分野で行うことができる仕事の範囲、受け入れ側の雇用形態や受け入れ側に要求される条件についての説明をいたします。

特定技能在留資格 建設分野

Q1.建設分野における「特定技能1号」の外国人の受け入れ見込数は何名ですか?

2019年4月からの5年間の受け入れ見込数は最大4万人となっています。

Q2.建設分野における「特定技能1号」の在留資格を取得するために求められている基準は何ですか?

    1. 担当する業務に応じた試験区分の「建設分野特定技能1号評価試験」に合格することが必要です。試験区分は11区分で試験は対象9ヵ国に加え日本国内でも行われる予定です。試験言語は日本語です。学科試験と実技試験があります。
      1. 型枠施工
      2. 左官
      3. コンクリート圧送
      4. トンネル推進工
      5. 建設機械施工
      6. 土工
      7. 屋根ふき
      8. 電気通信
      9. 鉄筋施工
      10. 鉄筋継手
      11. 内装仕上げ施工

※ このうち、1の型枠施工、2の左官、7の屋根ふき(かわらふき)、9の鉄筋施工と11の内装仕上げ施工については、実施主体都道府県の「技能検定3級」に合格する(学科試験と実技試験)と技能水準を満たしているということになります。

Q3.建設分野では、「特定技能2号」へ移ることのできる基準もあるのですか?

建設分野においては既に「特定技能2号」への移行も準備されています。

建設現場において複数の建設技能者は指導をしながら作業に従事し、工程を管理するもの(班長)としての実務経験を有する外国人労働者が2021年度以降、建設分野特定2号評価試験もしくは技能検定1級に合格すると「特定技能2号」の在留資格が認められることになります。

Q4.建設分野において、技能実習生をしていた外国人は、「特定技能1号」に在留資格を変更できますか?また既に祖国に戻ってしまった人は認定証明書交付申請で呼べますか?

建設分野に関する第2号技能実習を修了した外国人については、必要な技術水準及び日本語能力水準を満たしているものとみなされ、「特定技能1号」に移行することが出来ます。

また、技能実習を終えて祖国に戻っている外国人については第2号技能実習を修了した証明書の写しがあれば、日本に再来日して「特定技能1号」として働くことが出来ます。

Q5.建設分野において、「特定技能1号」の在留資格を取得した外国人が担当できる業務はどのようなものですか?

  1. 型枠施工…指導者の指示・監督を受けながら、コンクリートを打ち込む型枠の製作、加工、組立て又は解体の作業に従事
  2. 左官…指導者の指示・監督を受けながら、墨出し作業、各種下地に応じた塗り作業(セメントモルタル、石膏プラスター、既調合モルタル、漆喰等)に従事
  3. コンクリート圧送…指導者の指示・監督を受けながら、コンクリート等をコンクリートポンプを用いて構造物の所定の型枠内圧送・配分する作業に従事
  4. トンネル推進工…指導者の指示・監督を受けながら、地下等を掘削し管きょを構築する作業に従事
  5. 建設機械施工…指導者の指示・監督を受けながら、建設機械を運転・操作し、押土・整地、積込み、掘削、締固め等の作業に従事
  6. 土工…指導者の指示・監督を受けながら、掘削、埋め戻し、盛り土、コンクリートの打込み作業に従事
  7. 屋根ふき…指導者の指示・監督を受けながら、下葺材の施工や瓦等の材料を用いて屋根をふく作業に従事
  8. 電気通信…指導者の指示・監督を受けながら、通信機器の設置、通信ケーブルの敷設等の電気通信工事の作業に従事
  9. 鉄筋施工…指導者の指示・監督を受けながら、鉄筋加工・組立ての作業に従事
  10. 鉄筋継手…指導者の指示・監督を受けながら、鉄筋の溶接継手・圧切継手の作業に従事
  11. 内装仕上げ…指導者の指示・監督を受けながら、プラスチック系床仕上げ工事、カーペット系床仕上げ工事、鋼製下地工事、ボード仕上げ工事、カーテン工事、壁紙下地の調整、壁紙の張り付け等の作業に従事

1~11の専門的業務に加え、これらの業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(作業準備・運搬・片付けのような業務)に付随的に従事することも問題なしとされています。

Q6.建設業において受け入れ機関(特定技能所属機関)に課される条件とはどのようなものですか?

  1. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、建設業第3条の許可を受けていること。
  2. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、国内人材確保の取組みを行っていること。
  3. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、「特定技能1号」の外国人労働者に対して、同等の技能を有する日本人と同等以上の報酬を安定的に支払、技能習熟に応じて昇給を行う契約を締結していることが求められます。
  4. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、「特定技能1号」の外国人労働者に対し、雇用契約を締結するまでの間に契約に関する重要事項について母国語で書面を交付して説明することが必要です。
  5. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、自社及び受け入れる外国人労働者を建設キャリアアップシステムに登録しなければなりません。
  6. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、特定技能の在留資格で働く外国人の適正かつ円滑な受け入れを実現するための建設業者団体に所属しなければなりません。
  7. 「特定技能1号」の在留資格で受け入れる外国人労働者の数と「特定活動」の在留資格で受け入れる外国人(外国人建設就労者)の数の合計が受け入れ企業の日本人の常勤の職員の数を超えないことが求められます。
  8. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、国土交通省の定めるところに従い、外国人労働者が「特定技能1号」として働く場合の報酬予定額、安全及び技能の習得計画を明記した「建設特定技能受入計画」の認定を受けなければなりません。
  9. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、国土交通省又は国土交通省が委託する機関による「建設特定技能受入計画」の認定を受けた内容が適正に実行されているかどうかの確認を受けなければならない。
  10. 受け入れ企業(特定技能所属機関)は、国土交通省が行う調査又は指導に対して必要な協力を行わなければなりません。

Q7.建設現場において、元請企業が特定技能所属機関(外国人を受け入れている企業)を下請けとして使っている場合、元請企業に課される業務とは何ですか?

建設現場では、元請企業が現場管理の責任を負うことから、下請け企業が「特定技能」の在留資格で働く外国人を雇用する特定技能所属機関の場合、元請企業は、特定技能の外国人の在留就労の資格及び従事の状況(就労場所、従事させる業務の内容、従事させる期間)について確認することが必要です。

Q8.建設業の場合、業務が忙しい時期と仕事のない時期が分かれる場合があるのですが、このような場合どのような雇用形態にすればよいですか?

建設業においては直接雇用の形態が認められています。

業務の季節性がある場合、繁忙期のみ仕事のため対日し、閑散期は帰国するという仕事の特性を踏まえて滞在期間を合算し、5年間「特定技能1号」として働くことができます。

参照サイト:建設分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」)(国土交通省)