日本で長期に仕事をするようになった外国人が、永住を希望することはよくあることです。企業にとっても、永住権を持った外国人に関しては、安心して長期雇用でメリットがあります。

永住権を得れば、就職の選択肢も拡がり、より豊かな生活が可能になるのが事実です。

そして、これからは、日本で移民庁という名称の役所が誕生するかもしれないという報道も出てきました。少子高齢化の流れの中で、永住権の基準も変わるかもしれません。

日本では、永住を前提に受け入れる外国人を移民と呼びます。

時代の流れから一部の高額納税者やIT技術者などについては法律上の要件が緩和されることになりました。さて、どのような基準をクリアすれば、現在の日本において外国人が永住を認められることになるのでしょうか?詳しくは高度人材ポイント制のホームページを参照してください。

永住許可のガイドライン

 2006年に、出入国管理庁が示したガイドラインは、以下のようになっています(ただし、2012年5月に開始された高度人材ポイント制で70点以上の方は別に有利な条件が用意されています)。

法律上の要件

ア 素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること
イ 独立生計を営むに足りる資産または技能を有すること。
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産または技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること
ウ その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
1.原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
2.罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。納税義務等公的義務を履行していること。
3.現に有している在留資格について、出入国管理法施行規則別表第二に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
4.公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。 ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、ア及びイに適合することを要さず、難民の認定を受けている者の場合にはイに適合することを要しません。

現在、永住権の審査は厳しくなっており、就労系のビザで10年以上、日本に在留している人で年収330万円以上の安定した収入があり、かつ納税義務を果たしていないと永住許可を得るのが難しいのが実情です。

家族がいる場合には更に一人につき年収に60万円前後を加算するのでハードルが高くなるとお考えください。

また、企業の借り上げ住宅や社宅にずっと住み続けているケースなどは自立していないということにつながりマイナス評価になることもあるので注意してください。

原則10年在留に関する特例

  • ア 日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子の場合は1年以上本邦に継続して在留していること
  • イ 「定住者」の在留者で5年以上継続して本邦に在留していること
  • ウ 難民の認定を受けたものの場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること
  • エ 外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること。

なお、企業活動に関連する人材のガイドラインでは、上場企業又はこれと同程度の規模を有する日本国内の企業の経営に概ね3年以上従事している者又はかつてこれらの企業の経営に概ね3年以上従事した事のある者で、その活動により日本経済又は産業の発展に貢献したケースが、永住権獲得の要件になると示されています。

先端技術者や高度技術者として業界をリードする人材やグッドデザイン賞を獲得するような優秀な工業デザイナーなども5年の在留で、永住の許可がおりるとされています。

これらの方が高度人材ポイント制で70点以上になり、高度人材外国人と認定されると、来日して4年6ヶ月で永住権の申請が可能となります。

また、ボランティア活動等で、日本の介護施設や児童福祉に関して貢献すると永住権取得のポイントがアップします。