興行の在留資格とは何か?

興行の在留資格は、エンタテイメント産業などやテレビ等のマスコミが関連してくる在留資格です。

「興行」の該当する範囲は、演劇、演芸、音楽、スポーツ、演奏の興行に関連した活動ということになります。たとえば、ブロードウエイミュージカルの役者たちを招いて、日本で公演してもらう際にはこの資格が求められます。

また、外国人の野球選手が、日本のプロ野球チームと契約し、活動をするというときにも、この資格が該当します。

従来は、この資格を使い数多くのフィリピン人のダンサーが入国しましたが、法律上厳格に審査されるようになり、その数は激減しています。キャバレーのダンサーのような目的での来日は現在では不可能です。

興行の在留資格の基準

現在の基準では、外国人の芸能人が、外国の教育機関において活動に関連した科目を2年以上専攻しているか、2年以上外国における経験を有することが必要です

受け入れ側企業に対する基準

日本側の受入れ機関(企業)が、外国人を招くことが原則になっています。

さらに、招く側の企業にも基準が設けられています。

これは、暴力団系のブローカーやいいかげんな企業とのかかわりを断つためのものです。

たとえば、興行契約で、月額20万円以上の報酬の支払い義務や、外国人の興行に関連した業務に通算して3年以上の経験を有する経営者または管理者がいることが必要です。

さらに、5名以上の職員を常勤の形で採用していることが求められます。

経営者や職員が、過去に不法就労に関与していたり、売春防止法に違反していたり、暴力団に所属をしていたり、人身取引を行った経歴があると、原則として「興行」の在留資格の許可はできなくなります。

ただし、外国の民族料理を提供する飲食店を経営する企業と契約で、月額20万円以上の報酬を得て、その国の民族音楽に関する歌謡、舞踊または演奏に関する活動に従事するときは、招き入れた企業との契約は必要ありません。

たとえば、スペイン料理店で、フラメンコのダンスと音楽を披露して客を楽しませるようなケースが該当します。

そのような場合であっても、13㎡以上の舞台があることや、9㎡以上の出演者の控え室などの細かい要件をクリアする必要があります。

飲食店の経営する企業であっても、暴力団関係者や過去に不法就労に経営者や職員が関与していた場合は「興行」の在留資格の許可は下りません。

基本的には、多くの観客に有料で、当該外国人が歌や踊りなど民族的な独自性のあるショーなどを披露し、継続的に行われるものでないと「興行」の在留資格は許可にならないものとお考えください。

興行の在留資格のリンク

出入国在留管理庁 在留資格「興行」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/entertainer.html